カメラが捉えた香港理工大学包囲事件「理大圍城(理大囲城)」

香港理工大学は尖東から歩いていけるし、中にザハ・ハディドの建築もあって昔からよく行っていた。それが戦場になるなんて誰が知るだろう?

これもFBなどでニュースを追ってはいたけど、当時は全貌はつかめないまま。周冠威(キウイ・チョウ)監督のドキュメンタリー映画「時代革命」でも取り上げられていたが、今回この映画で更に内情を知ることが出来た。

ここでも若者(18歳未満の未成年も多数)VS警察の対決が描かれている。警察は催涙弾、ゴム弾から放水車まで揃え、特殊部隊も投入して彼らを取り囲む。それに対するのはほぼ丸腰(せいぜい火炎瓶とレンガ)の若者たちだ。これはどう考えてもおかしいだろう。彼らは武器を持ったテロリストや過激派ではないのだ。完全包囲されて外に出られなくなった彼らは何とか必死に脱出を試みる。そこを待ち構えるのが武器を携えたフル装備の警察だ。

前回の雨傘運動と違って、今回のデモには分かりやすいリーダー的存在がいない。スマホとアプリを駆使して、各自が自分の得意分野で参加するフラット型だ。逆に言えばスマホさえあれば、誰でも家族や学校、会社にバレずにデモに参加できる。よく日本の60年代の学生紛争が引き合いに出されるが、それよりもっと敷居が低くなって低年齢化も起きている。台湾の立法院占拠の時、一部の人達だけでデモを進行していくことの限界を見せつけられたが、それも関係しているのかもしれない。

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「時代革命」にしろ今回の2作品にしろ、香港人が訴えているのは、しごくまともで、他の国では保証されている「自由」だ。アメリカから送り込まれたスパイが先導しているわけでもないし、特別な訓練を受けたテロリストがいるわけでもない。

それが当局には理解できない。