Netflixで香港ドラマ「向西聞記(香港ウエストサイドストーリー)」を観る

ちょっとHなブラックユーモアオムニバスドラマ。30分×12回で全9話。彭浩翔(パン・ホーチョン)監督の「破事兒(2007)」をもう少しシリアスにした感じ。オープニングの万華鏡のような香港にグッときた。

f:id:mingmei2046:20190626133619j:plain

コメディだが根底には人生の哀しみがあふれている。テーマソングも物哀しい。原作は向西村上春樹。向西村上春樹といえば2012年の香港映画「一路向西」を思い浮かべるが、男性を主体としたお色気路線は同じだ。

オムニバスとはいえ登場人物がお互い緩く繋がっているのは、狭い場所に多くの人々が住んでいる香港ならでは。

イマドキの広東語が飛び交い、今の香港の世相が分かって面白い。「咖喱鶏(キスマーク)」「毒男(独身男)」等々新語がいっぱい。ロケ地も西九龍中心、啓徳(カイタック)空港跡地の啓徳郵輪碼頭などローカル色たっぷりだ。1話だけ台北ロケもあり、八徳路や十分などが登場する。

香港映画の不況など言われてだいぶ久しいが、こういったHなコメディは人気が根強く大ヒットした作品も多い。「金鶏」「喜愛夜蒲」はシリーズ化したし、「豪情3D(2014)」には古天樂(ルイス・クー)がAV男優として登場している。

それに伴ない脱ぐのを惜しまない香港人女優が増えたのはいいことだ。ロマンティックなラブシーンなのに中学生みたいな白いブラジャーしか着ない香港女優たちに何度イライラしたことか。

監督はまだ若い呉兆鱗(ネロ・ン)。脚本も担当している。今後の活躍に期待大だ。