小悪魔には気を付けろ!「指甲刀人魔 (A Nail Clippers Romance)」を観る

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14日が公開初日なのに上映回数が少ない!朝イチにThe Grand Cinemaまで歩いて観る。

彭浩翔(パン・ホーチョン)が出した短編小説集「破事児」の中の1編が原作。彭浩翔はプロデューサー、監督は「低俗喜劇」「春嬌与志明」などで撮影を担当していて今回が初監督作品になる。なので最初の海のシーンとかものすごく綺麗。

香港映画だが香港濃度は少ない。ロケ地はハワイで、役者はほぼ台湾人。香港人は鄭伊健(イーキン・チェン)のみ。

てっきり爪を食べるのかと思ったが、爪切りを食べるんだった。ええ~!一体どうやって?と思ったらバリバリそのまま食べるらしい。それで歯型の着いた爪切りも登場する。一番おいしいのは無印良品の爪切りなんだと。

こんな荒唐無稽な話に普通はついていけないが(張孝全演じる主人公のSeanもそうだ)、だんだん信じるようになるから不思議。

それも周冬雨演じるEmilyの小悪魔的魅力によるものだ。短編ネット映画では周迅(ジョウ・シュン)が演じているが、周冬雨も負けてはいない。「七月与安生」でもそうだったが、実は魔性の女の方がハマり役なのかもしれない。

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「私、爪切りを食べるのが好きなの」このシチュエーションで周迅に言われたら信じるよなー。

しかし、指甲刀人魔専門のレストランを開いてからEmilyはSeanの前から姿を消してしまう。周りの友人からは騙されたんだと言われるが、それも含めてSeanは心からEmilyのことが好きだった。

最後、でも実はやっぱり?みたいな感じで濁しておしまい。

パンチは弱いが、指甲刀人魔の歴史の説明とかおもしろかったし、ハワイはキレイだしで悪くはないと思う。

 

追記:2016年の大阪アジアン映画祭で「爪切りロマンス」の邦題で世界初上映として予定されたが、その後上映中止になった。完成が間に合わなかったのか当局の許可が下りなかったからとか???