いや~、危なかった。今年4月に公開だったが、すっかり見逃すところだった。だってメインのポスターがこれだもの。
細かい部分を見る前はてっきり台湾映画「鶏排英雄」の大陸版かと思ったよ。すでにネットで見ることが出来るので、試しに見たら全然違っていた(笑)。
とにかく脚本がすばらしい。監督脚本は映画「夜店」の陽慶。「夜店」も実はめちゃおもしろい映画なのに、ポスター含め宣伝がイマイチでそのおもしろさが全然伝わってこないところはこの映画と一緒。
幼馴染の親友3人が経営する火鍋店がうまくいかず、自分たちで拡張工事をしたら銀行の地下金庫に繋がってしまったのが物語の発端。
ロケ地は重慶。映画のロケ地としてあるような街だ。モノレールがあって密集したビルがあってそこに高速道路の高架があってと街の作りが多層的。
メインの火鍋店はセット。防空壕跡を利用したお店という設定だが、その奥行きの深さを十二分に発揮した撮影のしかたがうまい。
最後のほう、銀行強盗犯を陳坤が追いかけるシーンも黒基調で鳩まで黒というこだわり方。
ケンカのシーンも多く、車で車に体当たりさせて横転とかかなり激しい。
親友役の秦昊(チンハオ)は、イケメンなのに頑なにアイドル路線を拒絶していながら大活躍しているめずらしいタイプの俳優。多分かっこいいと言われるのが嫌なんだろう、わざとダサい恰好で演じたりするのでいつももったいないなあと思っていた。しかし今回は自分より目立つイケメン陳坤さんと一緒なので超自然体。
そんな陳坤さんは40歳にしてこの保存状態。
まさに奇跡。溜息。
地元での撮影なので、オール重慶語で話している。字幕が無ければ聞き取れない。
しかしやっぱり音楽がイマイチ。クラシックのアレンジしたっぽいのじゃなくて、もっとあるだろう、この映画に合ったかっこいい音楽が!
それでもいい作品なので、映画祭なので上映されたら私のように迷うことなく是非観てほしい。