陳坤著「突然就走到了西蔵」を読む

近所の本屋がいつのまにやら潰れていて、ちょっとはずれの本屋で最後の一冊を見つけて購入。紙質が荒かったり、印刷が一部かすれているとは言え、42元は安い。
この本は陳坤さんが自分の会社を立ち上げた後、慈善イベントとして大学生10人と一緒に、チベットを11日間115kmを歩いた道のりを記録したものである。
その道のりの中で自分と向かい合い、それまでの過去を振り返る自伝書にもなっている。
重慶の貧しい家から上京して、たまたま俳優になり、富と名声を手に入れ、情緒不安になった後心の平安を取り戻す過程が、とても真摯に誠実に描かれている。「隠し子か!?」として騒がれた息子との關係についても書かれている。
ドラマ「金粉世家(華の家族)」で一躍有名になった後、一時彼は心の平静を失う。その時彼がしたのは「坐禅」。
そんなわけで最近軟弱になった若者を案じて、陳坤さんがボランティアとしてやったのがこのチベット行き苦行というのも、彼にとっては突飛な事ではないのだ。
最近陳坤さんが出演する映画の評判がイマイチでちょっと心配していたが、彼は今第2の俳優人生を歩んでいるのだ。それも「一からやり直し」的な心意気で。
今後も陳坤さんから目が離せない。
中国の本は時間が経つと入手が難しい。ある時に即購入が肝。