ケン・リュウ「Arcアーク: ベスト・オブ・ケン・リュウ」を読む

大阪市立図書館にあったので借りた。日本映画「Arc アーク」の原作が収められている。監督は「愚行録」の石川慶で期待していたが、映画の設定自体に「?」がいっぱいで入り込めなかった。モノクロシーンと、小林薫風吹ジュンのくだりは良かったが。

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ケン・リュウの作品は映像化されることが多いのだが、読んでみると確かに映像化したくなるお話ばかりだ。この本のなかでは、「Arcアーク」の他に、「母の記憶に」「良い狩りを」が既に映像化されている。

どれも切ない。涙腺の緩い人はうっかり泣いてしまうかもしれない。

SF作品ばかりだが、明の時代を舞台にした時代小説「草を結びて環を銜えん」もかなり良かった。遊女とその世話役の少女が戦乱に巻き込まれるが、遊女が自分なりの筋を通して街を救おうとするお話。これも誰か映像化してくれないかな。