ホラーと戦争映画はすすんで観ることはないが、どうにも気になるのでアップリンク京都まで行って観てきた。
結局幽霊も呪いも最後まで出てこないので、ホラーというよりは「人は如何にしてカルト教団の信者になるのか」というドキュメンタリーを観たような気分になった。
多くの人が熱狂するのもうなずける。エロくてグロいシーンだらけだが、ジメジメ感はまったくなくいたって爽やか。フォークロアなモチーフがちりばめられていて、乙女チック。ロケ地はそれこそ女子が好きそうな"インスタ映え”するところばかりだ。
似たような内容の映画なら以前にもかなりあった。しかしそれは未開のジャングルで人食い族に襲われるようなB級ホラーだ。それに引き換えこの映画の舞台は白夜の北欧スウェーデン。白い民族衣装で着飾り花冠を載せた乙女たちが草原で踊るのだ。オシャレ度は格段に上だ。
そしてホラーの主人公と言えばか弱くて可愛い女子が常識だが、フローレンス・ピューの外見はとてもたくましい。彼女なら役作りで痩せようと思えば痩せられると思うのに、たくましいまま撮ってしまうアリ・アスター監督もかなり型破りだと思う。
日本での配給は株式会社ファントム・フィルムさんなのだが、最近ほんとよくこの名前に出くわす。映画の趣味が被りすぎ。宣伝の仕方もうまいよね。
この映画のヒットにより、今後のホラーの形も変わっていきそうだ。
そしてこれからも日本のどこかで上映予定。
https://eigakan.org/theaterpage/schedule.php?t=midsommar
追記:2021年9月からNetflixで、通常版とディレクターズカット版の両方を配信。