「革命をプロデュースした日本人」を読む

辛亥革命ドラマから完全に手を引くことが決まったが、日本側の制作会社にこの本があったので借りて読むことにした。
この本は梅屋庄吉の自伝で、もちろん孫文との交友がメインになっている。
この梅屋庄吉本宮ひろ志の漫画を地で行く人物で、その破天荒ぶりがすごい。
10歳:家から大金を持ち出して京都の遊郭に遊びにいく
14歳:自分の家の船で密航して上海に行く
19歳:アメリカ留学を決意するが、船が火災に遭い断念
その後米相場で投機に失敗して大借金を作ってしまい、しばらくアジアを放浪。
そこでトメ子という女性と出会い香港で写真館を開く。そして孫文との運命の出会い
この孫文との出会いの前に何度も死んでもおかしくない出来事が起きるのだが必ず生還する。まるで孫文と出会うために運命が彼を生かしているかのように。
このトメ子も詳しい経歴は分かっていないが、世界を放浪して流れ流れてシンガポールで梅屋と出会っている。リアル本宮ひろ志の世界だ。
その後梅屋庄吉は映画産業で巨額の富を得るが、清々しいほど使いきって自分の死後は家族が生活に困らない程度しか残していない。
本当に神がこの世に遣わした人としか思えない。