約2ヶ月ぶりの北京は

 午後ようやく北京に着く。地下鉄で帰りたかったが、北京駅の地下鉄に下りのエスカレーターは無い。エレベーターも無い。そのくせ出口から地下鉄に直結するような通路も無い。なので途中までノンステップバスで帰ることにした。
 家のまわりは前にも増して工事だらけで穴だらけだった。オリンピックの会場から割と近い場所というのもあるが、団地の敷地内まで工事中とは。せっせとお化粧中なのである。
 夜北京テレビで「電視往事(テレビ今昔)」という番組をしていた。中国ドラマの歴史をなぞった内容で、今では名作と言われているドラマの裏話なども出演者のコメントから聞くことが出来た。
中国ドラマが本格的に放送を開始したのは改革解放後の90年代から。それまで大陸では香港ドラマが中心に放送されていた。「上海灘」がその代表だろう。その後徐々に大陸製造のドラマが作られ始める。有名小説をドラマ化した「囲城(囲まれた街)」で主演した陳道明は当時を振り返り、原作があまりにも有名なので何度も依頼を断ったが監督が「君が演らないのなら僕はこのドラマを撮るのを辞める」とまで言われ引き受けた。このドラマは10話までしかないが撮影に3ヶ月かけ、たびたび俳優監督を交えた1週間に渡る話し合いがもたれ、そのたびに撮影は中断された。今とは全然大違いの贅沢な作りである。(今は40話のアクション大作を3ヶ月で撮ってしまう)そんな苦労の甲斐あってこの「囲城」は大成功し名作となる。私はこのドラマは見たことがないが、ちらっと見ただけでもおもしろそうだった。所謂波瀾万丈型のドラマで、出演者で他に葛優が出ていたりして豪華。気合いが入っているのが見て分かる。90年代の中国ドラマは滅多に再放送されることは無いが見るとおもしろい。