「ブロークバックマウンテン」を観る

もうすぐ李安監督作品「色、戒」が大陸でも公開される。大陸版は7分間カットされるが、これは李安自ら編集したもので作品の内容を大きく損なうことはないらしい。最初はセックスシーン30分カットされると言われていたが、ヴェネチアで賞を穫ったものだから中国側もあまり強気にはなれなかったようだ。ネット上では既に映画を見た人たちの批評があちこちにあって心そぞろな毎日。
そんな鬱憤を少しでもやわらげる為に前夜祭として「ブロークバックマウンテン」を復習。これは去年日本に出稼ぎに行った時に劇場公開されていて既に鑑賞済み。しかし見ながら「私は今後何度もこの映画を観るに違いない」と確証した。後でいろんな思いがじわじわ出てくる映画だった。
改めて見直してもやっぱりじーんときてしまう。私はやはり音楽が一番好きだ。それまでカントリーといえば「ィヒャッホー」なノリのものしか知らなかったので、あのテーマ曲はもう1小節聞いただけでせつなく、すっと映画の世界に入っていける。
無駄な説明が一切ないのに饒舌に語られる美しい映像、科白の外に溢れる登場人物たちの思い。見終わってから自分の心の中でまた新しく映画が始まる。「ブロークバックマウンテン」とはそんな映画だ。
私が少し意外だったのはジャックが受けでエニスが攻めという点だ。2人の性格からしたら逆かなっと思ったが、保守的なエニスはやはり男を受け入れることは出来ないということか?
最初の頃は「色、戒」はノーカット完全版しか観ないつもりだったがもう待ちきれない。こうなったら絶対劇場に行くぞ!