主役2人の演技がすごい「愚行録」

台北電影節中はほぼ毎日映画を観ている。で、たまに1本も見ない日があると逆に体が落ち着かない。

そんなわけで「愚行録」を観た。日本では既に公開中止らしいが、台湾では大丈夫らしい。

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特に予習無しで鑑賞。後味の悪さは最近の日本映画の流行なのだろうか?子供の父親が誰なのか最初から何となく予想できるし、理想の夫婦の裏の顔といってもそんなダークでもない。フツーの人がなりふり構わずあがくとああなるよねと思っただけ。「日本は格差社会じゃなくて階級社会」と言っていたけど、いやいやこんなもんじゃないですよ、世界各地の階級社会は。こんな風に不安だけ煽るうたい文句もどうかと。

但し、妻夫木聡満島ひかりの演技は良かった。特に後半の満島ひかりの一人語り。刺した感じがこちらにも伝わってくるよう。あと寝ている妹に複数の手が伸びる演出が秀逸。確かに好きでもない男から言い寄られる時は、まさしくああいう感じだ。

愛情というのは学習が必要で、習っていないと表現することは出来ない。よく本能から湧き上がる「はず」と母性神話について語られるが、飼育された動物だって育児放棄することがあるのだ。でも親に限らず周りの大人が愛情を与えればいいと思うが、難しいのかなあ。