全ての人に見て欲しいドキュメンタリー映画「時代革命」

2019年に香港で何が起こったのか?情報収集に日本の報道はまったく役に立たず、日々フェイスブックにUPされる現地の動画やニュースを追いかけながら胸が痛んだ。

監督は映画「幻愛」の周冠威(キウィ・チョウ)。158分あるが長さは感じない。この映画は100%デモ隊側から撮られているので、警察、香港政府の横暴ぶりをそのまま記録している。
中国共産党が姑息だと思うのは、圧力だけかけといて香港人同士を戦わせているところだ。人民解放軍が出動すれば一気に鎮圧できるが、それでは国際的な非難は免れないからだ。その間にもせっせと大陸から親中派の移民を香港に送り続けている。実際中国における香港の重要性は以前ほど高くない。経済面では既に中国大陸の方が上だろうし、金融センターとしての立場も上海に移行しつつある。なのにここまで締め付けるのは香港の先に台湾があるからだ。

私が一番信じられなかったのは、元朗(ユンロン)で発生した、地元のヤクザが警察と結託して一般市民に対する暴行を無視した事件だ。これは今でも警察側は納得できる釈明をしていない。

この映画が世界で初めて上映されたのは2021年のカンヌ国際映画祭。2021年の東京フィルメックスでもギリギリまで発表されずサプライズ上映という形になった。その後2022年2月に台湾で一般公開された。

映像が鮮明で、今まで見てきたドキュメンタリー映画とは一味違う。年々カメラなどのハード面での性能が向上しているということも理由の1つだろう。

特にこの夜景は圧巻。

デモはまだ終わっていない。勝てない戦いだとみんな分かっている。それでも私も応援したい。