台湾ドラマ「斯卡羅」の原作「傀儡花(フォルモサに咲く花)」を読む

今年注目されている台湾ドラマ。公共電視での放送開始日は未定。

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1867年に起きたアメリカ船ローバー号の海難事故が発端となり、台湾人が初めて国際条約を結んだいきさつを小説にしている。しかもアメリカ側と条約を結んだ相手は、当時未開の地に住んで野蛮だと思われていた台湾原住民族の代表だった。

この物語を理解するためにはまず、当時台湾に住んでいた人々の民族的な複雑さを知る必要がある。台湾にはもともといくつかの原住民(恒春半島付近ではパイワン族ルカイ族、スカロ族)が住んでいた。清の時代に福建からの移民が増え、そして広東から移民してきた客家人も増えた。この福建系の移民と広東系の客家人の仲は非常に悪かった。そして福建系の移民は漢族との同化を図った平地に住む平埔族と結婚し、客家人は山に暮らす原住民と結婚した。そこから複雑な混血化が進み、それをまた区別してお互い敵対していく。ちょこちょこオランダ人や清朝の役人がやってくるが、台湾全土を統治するには至らず、原住民達はそれぞれの縄張りで生活していた。

そこにやって来たのがアメリカ駐厦門のルシャンドル(李仙得)。清朝の協力を仰ぐが、そこは既に落ち目の清朝のことのらりくらりと交わされる。「いやそこ、化外の地なんで!」なんて言われるのだ。

それでアメリカ主導でさっさと原住民達の頭目と条約交わした後に、あたふたする様はやはり無様だ。逆に今まで漢人から未開人だと蔑まれてきた原住民達は男気に溢れていて実にかっこいい。

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少数民族好きにはたまらない。

そしてこの作品のために減量して髪も丸坊主にした呉慷仁(ウー・カンレン)は水仔という頭目の一人。辮髪にしているので、漢人寄りの平埔族かもしれない。原作には水仔という名前は出てこないので、ドラマオリジナルか名前を変えたかどちらかだろう。

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主人公の一人蝶妹は史実には出てこない架空の人物。温貞菱が演じている。小説ではこの蝶妹が台湾の現状を象徴していて、ルシャンドルから言い寄られるのだが、この辺り作者の理論先行で頭でっかちな印象を受ける。かなり無理やり。ドラマではもう少しうまく処理してほしい。

監督は「孽子」「一把青」の曹端原なので、かなり期待大だ。

「斯卡羅」のFACEBOOKはこちら。

https://www.facebook.com/seqaluFormosa1867/

去年既に撮影は終了しているので、後はポスプロを待つばかり。