引き続き愛奇藝海外版で無料で見られた。全12話。話としては「無証之罪（バーニング・アイス－無証之罪－）」の続編にあたる。
中国大陸にありがちだが、続編なのに俳優も設定も変わっている。制作会社も監督も違うからだが、原作者ももう少し気にすればいいのにと思う。
その原作者は紫金陳。国内で数々の賞も受賞しているミステリー作家だ。2004年にネットでデビューし、2013年「無証之罪」、2014年「壊小孩（「隠秘的角落」の原作）」、2017年「長夜難明（「沈黙的真相」の原作）」を出版している。小説の「壊小孩」に登場する子供の名前は厳良ではなくドラマ化の時に変更されたのだが、本来の設定としては「無証之罪」と繋がりがある。
舞台は2010年の重慶。ある元検察官江陽が殺され、そこから10年前の冤罪事件が浮かび上がる。
物語の構成は見事。現在の事件と10年前の冤罪事件を追いかける江陽の話が交互に進行していく。
但し、12話にしたくて間延びした部分が緊張感を緩めている。10話ぐらいが丁度いい。
主演の廖凡（リャオ・ファン）の使い方が良くなくて、事件解決のために何もしてないように思える。そして廖凡以外はそれほど有名な俳優は出ていないため、最初見分けるのに時間がかかった。そして続編なのに「雪だるま事件」の真犯人役の俳優を、江陽の恩師役に持ってくるのにはまったく理解できない。
重慶は多くのドラマや映画のロケ地になっていて私も好きな場所だが、その重慶の良さもあまり出ていない。
人気シリーズ小説はドラマや映画など映像化されるたびにクオリティーが落ちていくのが中国の悲しいところだが、紫金陳の原作は日本でも読める。
中国で現在大ヒット中のサスペンスドラマ『隐秘的角落』（隠秘的角落／The Bad Kids）の原作ミステリ、紫金陳『坏小孩』（壊小孩）は早川書房より邦訳刊行予定です！
— 早川書房公式 (@Hayakawashobo) 2020年7月15日
今後も紫金陳の作品は映像化される予定。
