ストレート同志が恋をしたらどうなるか?「マティアス&マキシム」

グザヴィエ・ドランが監督、脚本、編集、衣装、プロデューサーを担当した意欲作。

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ちなみに左がマティアスで、右がマキシム(マックス)。

確かにこれはゲイ映画ではない。ストレートが同性愛に目覚める話でもない。絵にかいたようなイケメン同士が禁断の愛を深めるBLでもない。フツーのにいちゃんが急に「やべ、もしかしてオレあいつのこと好きなの?!」とあたふたするお話である。

特にマティアスの動揺っぷりがすごい。キスした翌日に湖に泳ぎに行ったまま迷子になって溺れかけたりとか。マキシムのことが気になり過ぎて、つい「あざ野郎」なんて口走ってしまったり。

逆にマキシムのほうは表面的には冷静で、でも今までのような友達づきあいは出来なくなるんじゃないかと内心不安に思っている。そういった内向的な性格は家庭の事情によるものだ。終始爪噛みまくりで、やはり深爪がすごいことになっている。

一番の盛り上がりは2度目のキスシーンなのだが、なにせストレート同士なので勝手が分からずでキスのみで終わる。それでもドランの気合がビシビシ伝わるシーンだ。

面白キャラが多く登場するが、やはり一番はマカフィ弁護士だろう。彼は完全にバイセクシャルだ。というか彼こそ性別なんて関係無さそう。

今回も音楽が秀逸。選曲とその使い方は流石。時々思わせぶりな人物が登場するのもドランっぽい。全部は説明してくれないので「察してくれ」ということか?

最後のオチとなるシーンは人によって解釈は様々だが、結局仲のいい幼馴染に戻ったのかなと思う。