比べて見てみた「北京女子図鑑」&「上海女子図鑑」

「北京女子図鑑」は2018年4月から、「上海女子図鑑」は5月から優酷(YOUKU)で配信開始。日本ではyoutubeで見れてしまう。但し簡体字字幕のみ。

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CCTVビルと東方明珠タワー。

日本のドラマ「東京女子図鑑」のリメイクで、2008年から2018年までの主人公の成長を描いている。そしてどちらも女子の夢がぎっちぎちに詰まっている。キャリアも愛情もお金も権限も全部欲しいから努力して手に入れたけど、最終的に一番大事なのは自由と自分らしさよねという結果に落ち着く。

「北京女子図鑑」の主人公は四川省出身で地元の大学を卒業後、単身上京する。お金もコネも無い中、何とか底辺から這い上がっていく。

「上海女子図鑑」の主人公は安徽省出身で上海の大学を卒業後そのまま外資系企業に就職。転職を繰り返しながら最後は自分で起業する。

20~30分×20話で短く、テンポよく編集されているので特に長くは感じられなかった。主人公がキャリアアップするたびに衣装がどんどん派手になり、一昔前のステージ衣装のようになるのは中国ドラマのお約束。

登場人物たちのキャラが魅力的。仕事に対して厳しいが面倒見がいい上司は私も憧れる。友人たちも基本いい人ばかり。ありがちな愛憎ドロドロの展開は無し。たくさん登場する恋人たちもイケメンばかりでなく、ふつーなタイプも登場する。恋愛に関してはどちらも「これはモテすぎだろう」と思うが、女子の願望のひとつなので致し方ない。

10年分時は経っているのに時事ネタにはあまり触れていない。「北京」ではかろうじてオリンピックと万博に触れてはいるが、「上海」ではまったくスルー。なのでケータイの機種が替わったことで時の経過が分かる程度。

中国の戸籍格差は厳しい。そこから生まれる都市部の人間の偏見も凄まじい。このドラマの中でも自分がよそ者だという理由だけで夫や恋人の母親から猛反発を食らう。これが誇張でも何でもないから恐ろしい。

中国では共働きが当たり前だし男子が家事をするのも普通だが、こと結婚となると封建時代の観念とまったく変わらないのは何故なのか。以前日本のドラマ「昼顔」を見た何人もの中国人女子から「日本では妻が浮気をするのはごく普通のことなのか?!」と問い詰められたことがあるが、もしかすると貞操観念は中国の方がかなり厳しいかもしれない。