リアルな展開に釘付け「我們與惡的距離(悪との距離)」

去年の電視金鐘奨(ゴールデンベルアワード)で賞を独占した社会派ドラマ。全10話。日本では衛星劇場、U-NEXTなどで放送。2020年6月からNetflixでも配信開始。

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無差別殺傷事件をめぐる加害者と被害者の社会的な立場、報道や医療の問題点を深く突いた意欲的なドラマ。

日本でも残念ながら毎年のように無差別殺傷事件が起きる。事件が起きた直後に感じるのはやはり犯人の異常性なのだが、実はこれは追い詰められたら誰にでも起こりえる事なんだと思わせるのがこのドラマの目的である。

誰でも加害者に成りえるのであれば、それを防止するための対策を社会の中で作っていかなくてはいけないのではないか。「犯人に性格異常者のレッテルを貼って死刑にしてハイおしまい」では類型の犯罪を無くすことは出来ない。

ということもこのドラマを最後まで全部見ると理解出来てしまう。

理性ではそう分かっていても、実際に自分が事件に関わってしまえばどうしても感情が優先してしまうのは仕方がないことだろう。私はこのドラマを見ながらそれぞれの登場人物に深く感情移入してしまった。役者がみんな上手い。

特にお気に入りのキャラは大家さん。常に前向きで、つらい現実と立ち向かおうとする強さに感動する。

今回もドラマの中で新しい単語がいろいろ出てきた。気になったのが「草苺族(イチゴ族)」。主に1980年以降に生まれた、プレッシャーに弱い若者を指す言葉だそうだ。特徴は何より打たれ弱いw。日本にもいるよね。