台北で「那個我最親愛的陌生人」を観る

2日間の滞在で台北金馬影展で観る映画は3本。その合間を縫ってなるべく多くの一般公開の映画を観ようとスケジュールを組んだら、1日5本映画を観る羽目に。寝落ちしないようにするので必死だ。

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認知症をかかえた家族の物語。空気が重くならないのは家の中に小さい子供がいるから。たとえ認知症にかかっても夫ラブな母親は毎日かいがいしく介護をしている。そこに刑務所から出てきた娘が帰ってくる。子供は娘を母親だと思えずちっとも懐かない。娘は元カレに会うがヤクザな男とヨリを戻すことは叶わない。ある日父は同じ部隊だったという部下の男の家に旅行に行くことになる。母親は反対するが、娘が同伴して行くことに。しかし部下の母親も認知症にかかっており、壮絶な場面を見せられる。

その後も次々といろんなことが起きるが、家族はそれも淡々と乗り越えそして人生は続く。

あらすじだけ見ると悲惨なことばかりだが、そう感じないほど冷静に客観的に撮っている。一歩離れた視点というか。ターキーの孵化とか、その卵を売るホームレスのおっちゃんなどのサイドストーリーも実にうまい。

ちょい役で馴染みの俳優が登場している。「酔・生夢死」の李鴻其、超有名プロデューサーの李烈など。張作驥(チャン・ツォーチ)監督の人望の厚さが伺える。

金馬では監督賞、主演女優賞、助演男優賞、視覚効果賞にノミネートされている。