2017年の台北映画祭で最優秀短編作品賞を受賞したこの映画は何もかも異色だ。当時、監督の張作驥(チャン・ツォーチ)は強姦罪で服役中。彼が台北監獄にいる時に、受刑者を撮影したのがこの作品だ。なので映画の冒頭にまず台北監獄のマークがどーんと入る。といってもドキュメンタリーではなく、元受刑者が創作した原作を元にしてある。
素人を起用したとは思えないほど、それぞれのキャラがはっきりしていて、話の流れもうまい。ところどころインサートされる監獄内の風景も効果的だ。
そんな転んでもタダでは起きない張作驥監督の新作「那個我最親愛的陌生人」が、今年の金馬のオープニング作品に選ばれた。認知症の父の介護や出所したばかりの娘など、かなり重めの家族の話らしい。
台湾での一般公開も11月15日からはじまる。