台湾版「ブラックミラー」と言われるのも納得出来る、良質な作品。
全5話のオムニバス。おのおのまったく関連性が無いと思いきや最後のお話で子供たちが全員集合する。台湾は短編も含め社会派ドラマが結構多い。ここでも親の子供に対する行き過ぎた干渉を警告している。5話とも強烈な教育ママが登場するが、子供に対する無償の愛の裏で大きなエゴが見え隠れしている。「一生あなたのそばにいられるのはママだけなのよ。」なんてセリフに背すじがマジで凍った。
主人公を含め若手の俳優がみな素晴らしい。
それぞれかなり難役なはずなのにしっかり受け止めている。台湾の未来は明るいぞ!
第1話には呉慷仁(ウー・カンレン)もちょこっと登場。
いかにも悪そうな役。
それぞれ脚本も見事だし、予算も多そうで近未来の設定でもそれなりに見られる。
好みは分かれると思うが、物語として個人的に好きなのは「茉莉的最後一天(モリ―の最後の日)」だろうか。万引きした髪飾りを母親にプレゼントしてその髪にさした姿を見つめるってすごい心境だなと思う。
ロケ地で良かったのは「必須過動(ADHDは必要)」。最後不意打ちで呉建豪(ヴァネス・ウー)が登場するが、案外馴染んでいる。
ちょこちょこ字幕の間違いがあった。第1話で、親友同士将来何をしたいか話す時、「自転車で台湾一周」が「大陸に行く」になっていた。中学生が夢を語るのに大陸に行きたいわけがない。もう一つ。大人になった後、無理矢理見合いをセッティングされた時の英語での会話に日本語の字幕が抜けている。簡体字の字幕はある。「彼女はラッキーだったね」「ううん、私がラッキーだったの」という意味。いいシーンなのになあ。