日本で見逃したので。香港では4月25日から一般上映。
やはり目当ては主演2人の演技のぶつかり合い。主演以外でもみんなそれぞれの役割をきちんと演じていた(多少それが説明的ではあったが)。
ただ個人的に言えば、この映画のどのキャラにも入り込むことは出来なかった。
それぞれ人間関係が希薄で相手を否定するばかり。哲郎は息子の音楽がくだらないと思っているし、息子は木工の仕事がくだらないと思っている。
そして主人公の光は世の中全部、自分の存在まで全否定している。そして何が起きても動かないこと山の如しだ。
「傷つけるのも傷つくのも嫌で、他人に期待もしていないので期待もされたくないし、なるべく息を殺しながら何事も無いように」ずっと生き続けるなんて到底不可能だと思うが、そうなりたい人が予想以上にこの世の中には多そうだ。
私も昔は「何とか世の中とは少なく関りながら自分の好きなように生きていけないか」試行錯誤を続けた時もあったが、出てきた結果は「あ、これ無理だな」だった。
人生なんて迷惑かけてかけられて、ケンカして仲直りして、怒って泣くのが普通なのだ。1人の天才の影に何十人もの支える人がいて、初めてその天才は好きなことをやり通せるのだ。もし自分がその天才じゃなかったら?そうしたら支える側にまわればいい。
映画の後は監督&プロデューサーを交えてのQ&A。
はっきりした終わり方ではないのでそこを突っ込まれるが、監督も断言はしないまま説明していた。そういう明快な結果で終わるような映画ではないだろう。
そうやって観客を悶々させるのが、広瀬監督の手腕なのかもしれない。