中国映画「喊・山(MOUNTAIN CRY)2016」をネットで見る

2015年釜山映画祭のクロージング作品。

f:id:mingmei2046:20181109092118j:plain

80年代の山西省の田舎が舞台。どれくらい田舎なのかというとこれくらい。

f:id:mingmei2046:20181109102730j:plain

去年、上海から銀川まで列車に乗って移動した時に山西を通過したが、山奥のすごいところに人家があったりして驚いた。

その山奥の村で爆発事故が起こり、男が死んでしまう。男には口のきけない妻と2人の子供がおり、いたずらで爆弾を仕掛けた男が賠償金の代わりに世話をすることになる。

次第に心を通わせる二人だったが、警察が爆発事故のことをききつけ、男が自首すると決めたことで村中大騒ぎとなる。何故なら自首=殺人確定=即死刑となるからだ。そこで女が取った決断とは。

主演の2人に見覚えがあると思ったら「華麗上班族(香港、華麗なるオフィス・ライフ)」でも恋人を演じた王紫逸(ワン・ズーイー)と郎月婷(ラン・ユエティン)だった。撮影時期で考えると「喊・山」のほうが先かもしれない。「華麗上班族」での都会的な役柄とはうって変わって、この映画ではすっかり田舎者になりきっている。2人のこの演技の振り幅はすごい。

mingmei2046.hatenablog.com

内容としては中国の田舎を舞台としたよくある映画である。閉塞的なムラ社会の中のピュアな愛。その中にミステリー要素も取り入れて話を盛り上げている。

内容は平凡でも、出演している俳優はベテランが多い。爆破で死んだ男も、ムダにイケメンオッサンな主人公の父親も、中国の映画やドラマでよく見かける人たちだ。

夫が死んだ次の朝、女は山の頂上で琺瑯の洗面器を打ち鳴らす。そしてラストシーンにもう一度このシーンが登場する。これがタイトルの「喊・山」にも繋がっていて(「喊」は叫ぶという意味)、声を出せない彼女が精いっぱい叫んでいるんだと分かる。

こういうオチにはうまい!としか言いようがない。