第1作目がホラー、第2作目がエクソシスト、そして今回は中国版「シン・シティ」。
「孤城」という架空の都市が舞台。大人になったらギャングか売春婦か汚職まみれの公務員になるしかないようなバイオレンスな街だ。そこで主人公が請け負うのは潜入捜査。「悪を以って悪を征する」完全無欠なダークヒーローだ。
そんなわけで、ニックは近距離の銃撃戦でも弾はちょっとしか当たらない。カーチェイスでも無茶しっぱなし。韓国仕込みのアクションで敵を打ちめかし、向かうところ敵なしだ。
そこにラスボスが登場。このラスボスの設定はかなり好き。最後のどんでん返しも嫌いじゃない。
日本とタイでもロケしているが、ほとんどは上海で撮影をしている。しかしCG技術の発達で、言われないと分からないくらい無国籍感いっぱい。
「低圧槽」とは低気圧に覆われた状態らしく、常にどんよりとして雨が降っている。映像の色調も基本モノクロで、このダークな映画の世界を見事に表現している。
美術はかなりの凝りよう。
主人公の隠れ家。
警察のマークも架空のもの。壁の素材がかっこいい。
当然パトカーも架空のデザイン。
ダミーのラスボスと会うシーン。ここで火鍋を食べている。
俳優は香港大陸入り混じっている。「ニックと気の合う仲間たち」という雰囲気。
その中の香港人女優が「幹!(fuckの台湾語)」と言うシーンがあって、いやそこは普通に「でぃう(fuckの広東語)」でいいのになあと思ったw
撮るたびに作品がスケールアップしているが、毎回ニックの評価はイマイチ。しかし流行を追いかけるだけで新しいテーマを見つけられない中国映画の中で、誰も撮らない映画を撮るニックは貴重だと思う。
一体みんなニックに何を期待しているんだろう?