とりあえず女性にお勧めしたい「娼年」

小雨が降る新宿の夜に観るにはうってつけの映画。お客はほぼ女性のみだった。

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男性向けのAVを見ると興奮するより白けることが多い。セックスをテーマにした映画はやはり興味があるので結構観ているが、これは!という映画にはまだ出会えていない。

女性の欲望を顕在化した映画だと思って観たが、やっぱりこの映画もファンタジーだ。「この世のどこかには最高のセックスがあって、そのセックスさえあれば自分の全てが満たされるはずだ!」というのは都市伝説の類に近いだろう。

生々しいセックスをそのまま見せられても男性向けのAVと同じでうへえとなってしまうが、美男美女しか登場しないキレイなセックスというのもどうなんだろう?ここに登場する普通の女性にしてもどこまで本当のことを話しているのか。放尿に快感を覚える女性があの時スカトロまでいってしまったら?セックスレスの主婦だって実は単なるニンフォマニアなのかもしれない。人間の欲望は底なし沼なのに、そこに自ら進んでずぶずぶと入っていく主人公がちょっと怖い。

それでも予想以上のフルコースが楽しめたので、お得感はある。使用されるホテルもクラシックな内装で、特にバラ模様のシーツは画面に映えていいなと思った。

但しクライマックスであるはずの3人のセックスがダメダメだ。あそこは静香も自らの手でエクスタシーに達しないと。俯瞰するとかなり間抜けだが。でもセックスする姿ってそもそも間抜けだし。

今まで観た中で良かったと思うセックスをテーマにした映画といえば、「愛人/ラマン」「ラストタンゴ・イン・パリ」「色戒(ラスト、コーション)」「愛神(愛の神、エロス)」の中の「若き仕立て屋の恋」とか。世間の評価は低いが「ナインハーフ」もかなり好き。

でもどれも不幸な結末で終わってしまう。やはり少し背徳感のある方が盛り上がるからかな?