大阪アジアン映画祭でタイ映画「ダイ・トゥモロー」を観る

最近タイ映画でもおもしろい作品が増えてきた。

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死ぬ前日の人々の日常をオムニバスで見せていく。監督曰く、死ぬとは特別なことではなく、日常で起きるありふれた出来事である。

なので、この映画の中で登場する人々もごく普通に生活している。死因も事故、病気、自殺とさまざまだ。子供も老人も登場する。最後に登場する102歳のおじいさんの話は含蓄があって考えさせられる。

この生死感は仏教が広く信じられているタイならではのような気がする。輪廻の話もちょっと出てくるし。

おもしろいのが、その死ぬ人たちのエピソード部分が映画本来の横長の画面ではなく、真四角なところだ。ちょっとピントがボケたホームビデオみたいな質感。そのあたりに、ドキュメンタリーっぽいのに非現実感が醸し出ている。

1話目に登場する女の子たちの中には「頭脳ゲーム / Bad Genius」で主演していた女優も出演していた。上映後のQ&Aによれば、一応設定と台本があり、それに合わせて現場で俳優たちが作りこむ形だったので、それなりの演技力が必要だったということだろう。

観た後からずっと余韻が残るいい映画だった。

今年の香港国際映画祭でも上映されている。