「得閒炒飯(愛に関するすべてのこと)」はどんな味?

今年の東京国際映画祭でも上映されたが日程が合わず泣く泣く北京に帰った。これもDVDで鑑賞。
ゲイ映画は割と見てるがレズビアン映画は少ない。「自(流の木へん)」とか「心動(君がいた永遠)」とか。「エマニエル夫人」はどきどきしながら見たけど古いなあw
サンドラ呉君如は以前にも「古惑仔情義篇之洪興十三妹」で女性同性愛者を演じているが、全然自然。相手役のビビアン周慧敏は40過ぎてあの可愛さ。40過ぎで前髪下ろすのはかなり勇気がいるのにとても似合っている。
久しぶりに再会した日、お互いのマンションをヒルサイドエスカレーターで行ったり来たりするうちに親密になっていく様子はほんとうまい。
監督はアン許鞍華なのでおしゃれなラブコメという体裁を取ってもメッセージは強く伝わってくる。映画の中で「直」と「湾」という専門用語が出てきて、英語の字幕と照らし合わせるとどうも「直」が女性オンリー、「湾」がバイらしい。呉君如演じる美思が「直」と「湾」を行ったり来たりするので友人に咎められたりするが、「いろんな性があるのだからひとつに決め付けるのはおかしいわ」と意に介さない。これがしっかりカメラ目線なので、ここでもこの映画が単なるラブコメでないのが分かる。
とにかく2人がいちゃいちゃしているシーンでも硬い感じが無くて微笑ましい。
現実はこれほど甘くはないかもしれないけれど、自分が自分のままいられるのはなんて素敵なんだろうと心から思った。