2010年中国映画総括特集

という番組をたまたま見た。CCTV10チャンネルの映画番組だ。
中国の映画番組は批評が手厳しい。畳み掛けるようにどんどん突っ込む。公開前は宣伝のためにめちゃめちゃ褒めちぎるのとは正反対だ。興行成績から俳優、脚本、監督への批評から始まり、「コケた映画ワースト5」まで発表された。ここでは大御所監督も容赦はない。
去年一番の話題作はもちろん夏公開の「唐山大地震」。最終興行成績は6億4775万人民元。次がアンディ劉徳華主演の探偵時代劇映画「通天帝国」で2億9550万人民元なので、「唐山大地震」のダントツさが分かる。もっと詳しく知りたい人はこちらへ(注:中国語)。http://group.mtime.com/12781/discussion/253526/
毎年話題作が作られ興行成績が更新されている。表面的には中国映画の盛況ぶりはめざましい。しかし解決していない問題も多い。全体の2割の映画が興行成績の8割を占めている、映画の料金が生活水準から見て高すぎる、映画館の数が全然足りないことなどはみんな知っていることだ。個人的にはなぜ2番館が無いのかが不思議。公開が過ぎた後に安い値段で2本立て上映する映画館があってもよさそうなのに。
この番組の中で予想外に出来が良かったダークホースとして「我在囧途(Wo zai jiong tu)←文字化けするかも)」が取り上げられた。私もテレビで見たが予想外におもしろかった。
北京で単身赴任している社長が旧正月で帰省するロードムービーである。主演は巻き込まれコメディが得意な徐峥(xu zheng)と田舎者がはまり役の王宝強。あらすじは事業では成功したけど人生で迷子になった主人公が旅の途中で次々とトラブルに見舞われるが、そこから見失いかけた真の幸せを見つけるというもので特に目新しくは無い。しかしひとつひとつの話の設定がまさにリアル中国大陸。脚本を書いたのは80後の3人。元ネタは「愛情呼叫転移1」の脚本を書いた劉儀偉。なるほど。