「かもめ食堂」を観る

南京最後の夜に何となく流れで引き継ぎの男の子と一緒に「かもめ食堂」を観ることになった。
28日は中国では「元宵節」で茹でた団子を食べる風習があり、その後その子が「日本の映画観ます?」と聞いて来たので一緒に観ることにしたのだ。
日本では地味にヒットしたらしいということしか知らなかったので実はずっと観たかった。
まず、この食堂のロケ場所に驚く。このお店実際は画面で見るよりずっと狭いはず。しかも細長くて両側壁なのでカメラアングルも固定されてしまう。その狭さを補うために路面部分は全面ガラスにして、尚かつ外との接点も出来るのでうまいなあと思った。でもその分光の反射とか照明さんは苦労していそうだ。つまりこの場所は撮影にあまり適していない。外向けと中向けで分けていて実はとても広い場所だとか。キッチン部分も実は違う場所で撮ったかもしれない。そう思ってしまうくらい狭いロケ場所だ。でも北欧家具で統一された店の内装はシンプルで清潔で主人公の性格に合っていて素敵だ。
映画の内容は、同年代の特に海外で働く女子ならば同感するところだらけで、細かい説明がないところが返ってその同調感が増してよかった。「それ以上言わんくてもわかってるから!!」と何度もうなづいてしまった。逆にこの負け犬アラフォー世代の心情がわからない人には「はあ?」な映画だとも思う。
海外で仕事をすることに対して何の気負いもないところとか、自分の好きなものがわかっていてそこからブレない生き方とか、参考になる部分は多い。
参考と言えば小林聡美さんのファッション。この世代に無理の無いファッションを探すのは難しい。
ただ残念なのはこの映画の監督は笑いのセンスが少し足りないこと。ネタはもっとおもしろくなるはずなのにと思う。「ガッチャマン」とか「キノコ狩り」とか。
この映画を見て実際にフィンランドに行ってしまったアラフォーは多いに違いない。