中山→香港船の旅

朝からしとしと雨の中こっそりホテルを抜け出してバスで中山港に向かう。
中山港は海から奥まった場所にあり、大きな川に設置してあるようなかんじ。出だしは天気が悪い割には船はそれほど揺れずひと安心した。
しかし香港に近づき減速した途端揺れがひどくなって来た。そこを何とか我慢してイミグレに向かう。
いつも通りに入境カードに適当に書いて係員にパスポートと一緒に渡す。ところがここで「ちょっと事務所に」と呼び出しをくらってしまった。
「ええ!?」という顔をしたら
「ちょっとコンピューターがねえ」と言われてそのまま奥の部屋へ。この間の10秒くらいの間にいろんなことが頭の中をかけめぐる。
案外質素な部屋には他に妊婦の家族連れがいたりして、それほど厳格な雰囲気はなかったので少し安心した。係員はそのままさらに奥の部屋に行き私のパスポートを照合している。
せっかくなので部屋の中をじろじろ見回す。写真は禁止だろうから目にしっかり焼き付けないと。今後セットで必要になるかもしれないし。
しばらくして無事に解放されて判子も押してもらって外に出る。
今回の宿は「ゴダイゴ」。チェックインしてすぐ街に出る。
ゴダイゴ」のHPはこちら。予約も出来る。
http://www.godaigo.info/ 
夕方は「天水圍的夜與霧」を観る。その間ずっと夫の殺人の動機を考える。日本でもDVは身近な問題だし、その原因も小さい頃の家庭環境だとか本人の気質によるものだとかさまざまだ。映画の中で監督の許鞍華はそういった暴力の原因よりもDV被害者を救うための社会構造の欠陥の方を指摘している。
それでも私はその何を考えているのかどうしたいのかさっぱり分からない夫の表情を見る度、「何故?」と問いたくなる。つきあいはじめの頃は逆にかなり「いい人」なのである。それがある日仮面がポロリと取れて暴力性がむき出しになるのだ。
こんなDV男は絶対避けなくてはと思うが多分自分では分からないのだろうなあと、社会派映画なのに超個人的な視点で見てしまった。