「おくりびと」を観る

雨のせいで延び延びになっていた屋外の撮影が出来るようになり、自分の仕事にも少し余裕が出て来た。だいたい撮影開始から1ヶ月後くらいがダレる時期で、何にもしたくなくなってしまう。クランクアップは8月中旬予定なのであと4ヶ月もある。もちろん撮休(撮影休日)なんて無い無いw
そんな怠い時期に「おくりびと」をDVDで観た。観る前にかなり期待してしまったのがいけないのか、あまり映画の世界に入れなかった。まったく自分が想像していた通りの映画でサプライズが一切ない。モッくんも広末涼子山崎努も自分が知っているそのまんまだったし、話の展開も読めてしまったし。
自分が納棺師に対してまったく偏見がないというところが致命的なんだろうと思う。死んだ人を相手に商売をするのがそんなに卑下することなのか。みんないずれはお世話になるのに?
主人公大悟がずっと妻の美香に仕事の内容を隠していて、バレた後に説得しようと妻にすがる。その時に美香が「触らないで!穢らわしい」と大悟の手を振り払うシーンがある。そこまで言うか?と思ったがそれが世間一般の見識なのか。
扱っている題材は日本独特の葬式文化だが、ハリウッドでリメイクしても充分いけそうだと思った。起承転結は分かりやすいし、死生観も世界に共通したものだからだ。
もし自分が死んだらやって欲しいのは鳥葬である。死んだ後なら目をつつかれても痛くないし、食べられて相手を生かすのが正しい気がするのだ。