「落下の王国」を観る

今回帰国のメインイベントである。日本語字幕で映画館で観られるなんて夢のようだ。しかし公開して1ヶ月経っており、大阪では2館のみ。そのうち梅田ガーデンシネマでは1日2回だけだった。
確かに映像は圧巻。どのシーンもとても贅沢。何だか常にターセムシンから「どや、この画。すごいやろ。誰もやれへんで。」と言われているような気がした。(注:大阪で観たから)
劇中劇の構成と映画制作についての映画というどちらも私の好みド真ん中。ただ物語部分の最後があっさりしていて盛り上がれなかった。前作「ザ・セル」も最後は魂の救済みたいなことで終わっている。欧米におけるキリスト教の背景がよく分からないので、いきなりイエス様とかマリア様とか登場すると狼狽える。デヴィッド・リンチ監督の「Wild at Heart」もそうだった。
それと「失恋したから自殺」ということに私が感情移入出来ないということがある。映画を見ても単純に有名でハンサムな俳優に恋人をもっていかれたぐらいしか説明されていないので、「何もそこまで」と思ってしまうのだ。運命的で壮絶な失恋ではなく、ごくありふれた失恋なのである。それだったらいかりや長介なみに「次いってみよー」しかないではないか。
それにしても主役の女の子がすごくいい!あれがフツーにかわいい娘だったら魅力半減である。
もったいないくらい次々と美しい景色が現れるのもすごい。1秒くらいしか登場しない世界遺産もある。(万里の長城とか桂林とか。あっと言う間だったw)
最後は古い白黒フィルムを繋げて、その中にがんばってスタントを続けているロイの姿が映し出される。ええ話や。