「無聲火 2.0(Bangkok Dangerous)」を観る

一時期タイ映画をまとめて何本か観た事があって、そのきっかけが「レイン」という映画だった。耳の聞こえない殺し屋の話で、とにかくクールでかっこよかった。それがパンブラザーズの初監督作品だと知ったのは、香港でこの「無聲火 2.0」のポスターを見たから。知らないうちに私はずっとパンブラザーズが好きだったらしい。
1999年に作られた「レイン」をニコラス・ケイジ主演でリメイクしたのがこの映画である。「ハリウッド初進出!」とうたっているが、殆どタイで撮影しているので出演者もほぼタイ人。今回のヒロイン役はチャーリー楊采妮。清楚な役柄は前回と同じ。人生に疲れた西洋人がアジアン女子にノックアウトという構図はとてもありがち。
ニコラスは途中までは非情な殺し屋役なのに、チャーリーに出会ってから何故か笑いを取ろうと脱線ぎみ。やはりニコラスの姫系うるうるまつげバサバサ瞳がハードボイルドに向いていないのかも。睨まれてもちっとも怖くないのは劉イエと同じか。
そんなわけで最後キャラが変わったまま終わってしまい、何だか腑に落ちない。無理矢理ハリウッド型勧善懲悪になってしまった。その辺は監督と製作の意図が別れたとか。でも今時オチがハリウッド型勧善懲悪って。