シリーズ化しないかな「C+偵探」

早速香港と横店で仕入れてきたDVDとCDVを鑑賞する。意識していなかったが今回は警察ものが多い。
「出埃及記(出エジプト記)」主演のサイモン任達華はフェロモン全開で男臭さ満載。案外よかったのがトイレを盗撮する犯人役の張家輝。一時期コメディに転んだりもしたが微妙な演技が得意だ。映画のオープニングシーンが笑える。サイモンの妻役の劉心悠がとにかくセシリア張柏芝にそっくりだ。でも結末が尻すぼみで終わるのが残念。
「神探(マッド探偵)」は相手の人格が人の形をして見えてしまう警察官の話。耳を切り取るシーンはかなりリアル。スパっとではなくきりきりいいながら削いでいっている。これは天才画家ゴッホのモチーフ。ゴッホが恋人の誕生日に自分の耳を切り取って送ったことに由来している。これは自分の一番好きな相手に喜んでほしいからという純新な気持ちから来ていることだとメイキングで監督が語っていたが、そういう純真さが劉青雲演じる警官にも通じている。ジョニー杜蒞峰が監督だが、ところどころ「ジョニーさん、ここは笑っていいんですよね?」という場面がある。人格の一つである女が男子トイレで用を足していたり、男の後ろに7人の人格がぞろぞろついていったり。少し分かりづらかったのが奥さんの人格の扱いで、あれは本人と独立して劉青雲演じる警官に恋をしていたということなのか?フローラ陳慧珊が元奥さんというキャストに笑。この人はもろ香港ドラマの人なので。香港ドラマの俳優が映画に出るととても違和感を感じてしまうのは私だけか?
「鉄三角」は監督3人の特徴が比較出来ておもしろかった。企画賞をあげたい。最後のパートを担当したジョニーさんの大技すくい投げの話の終わらせ方はかなり好き。ここでは3人のイイ男っぷりもしっかり堪能出来てお得だ。
 そして今回の一押しはアーロン郭富城主演「C+偵探」。これはタイのチャイナタウンを舞台にしたしがない探偵の物語だが、何だか松田優作主演の「探偵物語」か、永瀬正敏主演「マイク濱」シリーズを彷佛させるような雰囲気。あやしいタイ語のテーマソングが楽しい。私は本筋とは別に友人であるチャイナタウンの警官がいつ裏切るか(廖啓智は警官役が多いがその中でも「星月童話〜もういちど逢いたくて」の警官役が一番印象に残っているので)楽しみに見ていたが結局最後までいい人だった(笑)これは続編を撮って欲しいなあ。謎解きの展開も早いし、タイが舞台だけどほとんどチャイナタウンの中での話なので意味不明な部分も無い。ホラー映画の鬼才オキサイド・パンが監督ということもあって、最後のオチにニヤっとさせられる。