ロス疑惑

アメリカ映画ソフィアコッポラ監督「ロストインフラストレーション」の中国名は「迷失東京」なのだが、それをもじった「迷失ロスアンジェルス」というドラマの台本をずっと読んでいた。ボスから「もうすぐ撮影に入るから美術のリストアップとロスの資料を集めてくれ」と頼まれたので、必死こいて今ある分の20話分の台本を読んでネットで資料を調べた。しかし後で確認したら私はどうも参加しないらしい。もしかしてロスロケ?とか思ったのに。
 話はお人好しの北京人がロスに来ててんやわんやの話だが、殆どロスでの話。ということはロスロケは必須。それでボスに聞いた。
「ボス、ロスに行くんですか?」
「多分、2週間くらいかな。(フッ)」
「え、でもこの分量では2週間では撮れないですよ。」
「殆ど国内で撮るんだよ。だからロスの資料が必要なんだ!」
「え!?マジっすかーー!!」
ボスも苦笑いである。
こんな無茶がまかり通るのが中国だった。登場人物は殆ど在米中国人なのでいいとしても、美術はどうするのだろう・・・。これは参加しなくて正解か?
私の中国ドラマデビュー作「記憶的証明」は、現代部分の外での撮影以外はみんな中国国内で撮影された。なので室内の装飾がかなりおかしい。中国国内で撮ったのがバレバレである。(注:このドラマは戦争当時と現代が時間を交差させながら進んでゆく。)
中国ドラマは好景気を背景に海外ロケもぐんと増えている。しかしこんなごまかしがいつまで通用するのだろうか。
写真は資料集めの時に見つけたもの。アメリカ人のこういうアホさは好き。