中井貴一主演「鳳凰」11月30日から中国公開

私が月末から参加する日中合作映画が来年の夏まで延期になってしまった。なので急にぽっかり時間が空いてしまった。でも元々夏のお話なのでそれが妥当だと私も思う。
そんな中、成功した日中合作映画「鳳凰」が完成した。「天地英雄(へブンアンドアース)」で単身過酷な中国ロケに挑戦した中井貴一が主演兼プロデューサーとして製作した映画である。その中国での完成披露が人民大会堂で行われ話題になった。日本で言えば国会議事堂に当たる建物だが、コンサートも多く開かれている。
 私は以前香川照之の「中国魅録ー「鬼が来た!」撮影日記」を大笑いしながら読んだことがある。そこには私が普段目にする中国での撮影現場の風景が忠実に書かれている。しかも内容は香川さんの文章の才能によって誰にでも楽しめるエンターテイメントな仕上がりだ。その中で彼は中国での撮影の不条理さに怒り、泣き、あきれたりするのだが、その後「暖」という映画で再び中国映画に参加している。中井さんも「天地英雄」の撮影日記を書いているが(こちらは未読)、そこでも一向に進まない撮影進行の不満が述べてあり、それを踏まえての今回のプロデューサー担当になった。
2人を見ていると、自分の中でモヤモヤしている気持ちを代弁してくれているようでほっとする。私は特に中国大陸が好きというわけでもないし、撮影現場は混乱の極みで何度大声で怒鳴りそうになったか。そのたびに自問するのだがそれでも中国から離れられないのだ。口惜しいけど。
そんな混乱した気持ちの中で2人の中国映画に対する姿勢を見せられて「これでいいんだ」と納得。つまりはいい映画をつくりたいだけなのだ。中国と言うだけでガヤガヤうるさい人達が多いが、私にとって一番大事なのはこの一点につきる。