「天堂口」をDVDで見る

今日は国慶節。何処に言っても人だかりだろうからお家で貯まっていたDVDを観る。次に参加する日本映画が満州に関係するので「ラストエンペラー」と、公開が終わってから見かけなくなったのにこの間売っていたので買った「恋愛中的宝貝」と、「長恨歌」そして「天堂口」をまとめて観続ける。
ラストエンペラー」は原盤は英語のセリフだけど中国語の吹替えもあった。高校生の時に映画館で観たが、改めて観ると西洋人の勘違いシノワズリーが目につく。特に傅傑の妻浩の髪型服装はかなりやばい。坂本龍一の音楽はとても素敵だ。それにしても最愛の乳母と別れた後の傅儀のセリフ「彼女は僕の蝶々だったのに」の意味がよくわからない。「恋愛中的宝貝」は中国では大コケしたが、こういった感覚的な映画は中国には皆無なので、李小紅の挑戦にはとりあえず拍手。内容は電波系女子の暴走恋愛物語なので受けいられない人は多そうだ。
そして「天堂口」。ネタバレはしないが、全体的に「惜しい」作品になっている。役者もいいし、話はスタンダードな上海マフィアの抗争劇だし、悪くはないのに良くもないという。思うに具体的なエピソードが乏しいからではないかと思う。ボスの女に惚れるといってもそれが如何に自分の命にかかわる危険なことか伝わってこないし、孫紅雷と張震の兄弟間の憎しみとかも理由がわからず、劉イエの成り上がりぶりも何だか簡単だし、つまり全体的に薄い。今中国では30〜40年代の上海ものがドラマ、映画ともに多過ぎて流行りなのはわかるが、どれも似たり寄ったりで差別化が図れていない状態。
長恨歌」はサミー鄭秀文が思った以上にがんばっているが、これも実は主役は梁家輝だったのかと思うぐらいこちらに比重が置かれている。ミス上海の転落の人生の物語だが、これも彼女がダメンズウォーカーだったと思えばそれで納得できるし、私としては男前(でも頼りにならない)と何人もつきあっているのだからそれはそれでいい人生ではないかと思うが。緑を基調とした素敵な部屋がたくさん出て来た美術は良し。