北京スナックデビュー

夜県人会で飲みに行く。そしてその後素敵なおじさま2人に連れられてスナックに初めて行く。スナックといってもカウンターのみの小さなお店でカラオケを歌いに行っただけなので隣にきれいな小姐が座ることもなかった。しかしママは超美人で日本語もペラペラ。4、5人の小姐たちも若くてかわいい娘ばかり。私は一応気を使いつつテレサテンなど歌いながら満喫した。
以前何度か中国人中心のカラオケパーティに参加したことがあるが、ボックスの中は無方地帯と化していた。みんな割り込みばかりするので自分の番は回ってこない。勝手に歌って踊るのみ、人の歌は聞かない盛り上げないで全然おもしろくなかった。
私にはカラオケスナックから始まる長いカラオケの歴史がある。お店のお姉さんに歌番号を渡して、テーブル毎に順番がまわってくるのを待ちながら他人の歌には拍手してサビは一気に盛り上げるという暗黙の了解がどこにでも必ずあった。その後100円式のボックスができて、間違って番号を入れた時にはくやしさに泣き、それが友人の歌であれば一気に友情にひびが入ったものだ。レーザーから通信カラオケに変わり、ファミリーで行く明るい娯楽になってからもこの暗黙のルールは脈々と受け継がれてきたはずだ。
しかし中国では違った。自分のしたいことが優先のこの国は、勝手に順番を変え、他人が歌っている間でも機械が気になるのかちょこちょこ設定を変え続け、ずっとマイクを離さない奴までいる。例えば日本人ならメンバーをざっと見て、「今日は平均年齢が高いから懐メロ」とか「アニソンで一発ウケ狙い」とか歌の組み立てを考えたりするが、中国はとにかく自分が歌いたい曲オンリー。下手でも歌を覚えてなくても毎回同じ歌でもとにかく「オレ流」なのだ。それでも高級カラオケボックスが次々と出現しているのを見ると、中国流が今後の本流になってしまうのかと不安になる。