へたれ小僧

そんなきつい毎日の中で私の身体は限界に来ていた。顔はすでにしもやけ+乾燥でえらいことになっており、手もあかぎれでぼろぼろ。「これ、女子の手じゃないよね。(フッ)」と仲間とかわす。今日は撮影も夜中までかかり寒さも倍増。この時点でかなりへこんでいた。しかし、撮影中にモニターを見て急に元気が出た。かなりかっこいいのである。今まで参加したドラマの中で多分一番だと思う。B組の監督はもともとカット割りがかなり細かいなあとは思っていた。今まで一緒に撮った監督は小道具のアップなんて全然撮らないので、中国ドラマってそうなのかとずっと思っていた。でもこの監督はすでに頭の中で何をどう撮るか全部決まっていて、早いスピードでどんどん撮ってゆく。この日の撃ち合いのシーンでも何処からどう撮るか現場で瞬時に決めてさっさと撮ってゆく。その画面がとにかくかっこいい。そしてかなりハードボイルド。この時点でどんなにつらかろうが監督についてゆくことを心に決めた。
写真は設定上は馬に乗って反撃、なのだが下は写らないので実はみんなでそりを引っ張っている図。