混乱の2日目

戦争ドラマには軍事顧問の人がいて、例えば銃の持ち方などを指導したりする。もちろん現役の中国の軍人。今日は室内の撮影が多く午前中は何事もなく過ぎた。午後私が道具を取りにトラックの場所に行くと出番待ちのエキストラ戦士が休憩している。ところが身に付けている装備が昨日と違う!慌てて「着け方が昨日と逆です。直して下さい。」と私が言うと、「でもこれが正式の着け方だって言われたんだけどー。」という返事。それを他の道具スタッフにも話を伝えて、今日からはこの装備の付け方でいこうと話がついた。
ところが、いざエキストラの撮影の時になって、プロデューサーが「装備が昨日と逆じゃないか!道具係どうなってるんだ!!」と現場で怒りまくり。それで私が「これが本当らしいんですが。」と説明したら「誰がそんなこと言った!?」と怒ったまま、現場にいたその軍事顧問の人に尋ねた。そうしたら昨日の着け方が合っているという。もうわけがわからないまま取り敢えず全てのエキストラの装備を直す。結局このことは道具係の不備ということで終わってしまった。
しかし夜ボスともども他のドラマのDVDや本を調べるうち、装備の着け方がまったく統一していないことが判明。つまり正解も間違いも無いということ。しかし言う人それぞれ「オレが正しい」と言うので更に混乱。そのため今後の撮影のための統一案をみんなで決める。これで何とか決着を見る。
中国ドラマの時代考証が甘いのは全然普通。なので外国人が中国ドラマを見ても資料にはならないことに気を付けよう。