牡丹江に到着

朝9時半に「海林」駅に着く。ちらほら粉雪が降っていた。やはり北京より寒い。迎えの車で高速を走る。周りはなだらかな高原。ひとり「赤い月」波子ごっこをして楽しむ。相手役がいないのが寂しい。着いた先は「威虎山影視城」オープン撮影所である。なんとその中で美術スタッフは泊るらしい。とはいってもホテルなどなく、管理人の泊まりこむセットの一部分の家にである。風呂無しトイレ無しの共同生活。この時点で不安増大。こんなことは初めてである。制作いわくこのあたりにはホテルがないらしい。じゃなぜそんな辺鄙なところに撮影所があるのか?基本が間違っていると思う。でも文句を言っても仕方がない。もう一人の女性スタッフ楊さんと自分の荷物を片付ける。(一応男女は別だ)楊さんにはその後さんざんお世話になる。とても性格が良い1児の母である。なのでうんと甘えてしまった。
 牡丹江は黒龍江省の東に位置する。もっと東にいくとロシアである。省都のハルピンとは車で6時間くらい離れている。今日は一日中雪が降っている。寒い。しかし部屋の中はかまどのみ。部屋の一部は床を高くしてかまどの熱を利用した床暖房になっているが、そんなもんで部屋全体が暖まるわけでもなくずっと布団にくるまって座っていた。いなかより北には行くまいと心に誓った寒さ嫌いの私だが、ますます不安は募るのみである。