2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

香港の建物探訪その1:深水埗編

香港にこんなに長く滞在するのは久し振りなので、ついでに香港の古い建築をいろいろ巡っている。歴史的建築物として保存したくても、近年の土地価格高騰の煽りを受けて止む無く取り壊される建物も多い。今見ないと次来た時無いかもしれない。 まずは香港団地…

香港国際電影節で「長いお別れ」を観る

今年のラスト1本。香港の春ももう終わりだなあ。 映画の前に監督のビデオレターが流れた。この映画も「家族の愛」がテーマだ。 中野量太監督の前作「お湯を沸かすほどの熱い愛」が変でおもしろかった。なのでこの作品も期待大。 やっぱり山崎努はすごい。も…

香港国際電影節で「八個女人一台戯」を観る

香港では既に1月に一般公開されているからと思って、油断していたら6時の時点でもう長蛇の列。 こうして並ぶと梁詠琪(ジジ・リョン)の背の高さが分かる。 長いブランクの後に舞台に挑戦するかつての人気女優と、因縁の関係である後輩女優との熱い戦い。で…

香港国際電影節で「幻土(A LAND IMAGINED)」を観る

2018年東京フィルメックスでも上映。シンガポール映画。撮影は日本人の浦田秀穂。 監督はこれが長編2作目。失踪した中国人と刑事の夢が交差するはずなのに、その繋がりがセリフでの説明だけ。共通するのはどちらも不眠症なのだが、何故刑事がいきなり全裸で…

香港国際電影節で「夜明け」を観る

日本で見逃したので。香港では4月25日から一般上映。 やはり目当ては主演2人の演技のぶつかり合い。主演以外でもみんなそれぞれの役割をきちんと演じていた(多少それが説明的ではあったが)。 ただ個人的に言えば、この映画のどのキャラにも入り込むことは…

人生の逆流に挑戦するおっさんたち!「逆流大叔(Men On The Dragon)」

最近、香港でも昔の名作やちょい前のヒット作を不定期だが映画館で上映するようになった。しかし直前にならないと上映場所と時間が分からない。これも前日に気が付いて大慌てではるばる屯門まで出かけた。でも案の定道に迷って最初の10分間を見過ごしてしま…

香港国際電影節で「翠絲(トレイシー)」を観る

2018年東京国際映画祭でも上映。 姜皓文(フィリップ・キョン)にトランスジェンダーの役が出来るのか不安だったが、ずっと抑圧して隠しているという設定で、姜皓文の中にそういった要素が無くても何とかクリアしている。 初恋の相手阿正の夫、邦はとても重…

梅艶芳(アニタ・ムイ)との思い出がいっぱい「朝花夕拾、芳華絶代(Dearest Anita)」

何とか滑り込みセーフで銅鑼湾で鑑賞。 インディーズ映画のような出来で、いろんな人が協力している。しかしやっつけ感はいなめず、せっかくいい話なのに魅力が半減してしまっている。 アニタ姐さんのファンたちが登場し、「自分はこんなにアニタ姐さんにお…

香港国際電影節で「三夫(三人の夫)」を観る

2018年東京国際映画祭でも上映。18禁。インタビューの様子が今でもネットで見られるが、現地のとりすました質問に苦笑。 香港では3月28日から一般上映。 「エロス」ではなく「エロ」を真正面からがっつり四つに組んで捉えた映画。フェミニズムや倫理的な立場…

香港で「流浪地球(さまよえる地球/流転の地球)」を観る

今週になってがくんと上映回数が減ったので慌てて旺角の映画館へ。 既にNetflixで190カ国、28言語での配信予定が決定している。 流石にVFXは素晴らしい出来。特に北京、上海が氷河で覆われているシーンは、馴染みがあるだけに圧巻。大画面で見る木星の模様も…

香港国際電影節で「自由行」を観る

2018年東京フィルメックスでも上映。 中国大陸から実際に出禁になった応亮(イン・リャン)監督の経験を元にした映画。 香港人と結婚した女性映画監督が台湾で故郷(四川省)にいる年老いた母親と会うが、お互いの心の距離はなかなか埋まらない。夫の気遣い…

香港国際電影節で「撞死了一隻羊(轢き殺された羊)」を観る

2018年東京フィルメックスでも上映。 チベット映画なのに、プロデューサー王家衛(ウォン・カーワイ)のテイストがあちこちに点在している。それとも監督の元からあるセンスなのか? 最初に現れるチベットの諺が肝。「もしあなたに私の夢を語ってもあなたは…

大阪アジアン映画祭で「パパとムスメの7日間」を観る

遂に最終日。 原作も監督も日本人。ベトナムは最近韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」もリメイクしていて、積極的に海外の良い部分を取り入れようとしている。 主役の女の子が超かわいいのにオヤジの演技もちゃんと出来ている。パパもしっかりJKになりきって…

大阪アジアン映画祭で「アサンディミッタ」を観る

人生初のスリランカ映画。一筋縄ではいかない摩訶不思議な映画。 アサンディミッタは2度離婚歴のある2児の母親だ。ある日バスでイケメンヴィッキーと出会い、そのまま同棲する。しかしヴィッキーは時々老人に変わる時がある。もともとダメ男のヴィッキーはア…

大阪アジアン映画祭で「Sad Beauty」を観る

女優とその親友との友情物語。 仲の良い2人が誤ってDV男を殺してしまう。死体の処理に困った2人がおじさんの家を訪ねて相談にのってもらう。その解決策としてワニに食べさせるというのもすごい話だ。 その帰り2人は大げんかをして別れるが、1年後ガンが末期…

大阪アジアン映画祭で「過春天(THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女)」を観る

香港とシンセンとを運び屋として行き来する高校生の物語。「過春天」はその運び屋の隠語でボーダーを渡ること。 英語のタイトルは「The crossing」。ボーダーを越え、運び屋という犯罪の世界を越え、少女から大人へ越える物語だ。 シンセンで母親と一緒に暮…

大阪アジアン映画祭で「淪落人(みじめな人/淪落の人)」を観る

黄秋生(アンソニー・ウォン)のうまさが分かる香港映画。 黄秋生と言えば、香港映画を代表する実力派俳優のはずなのに、最近も「失眠」というキワモノ映画に主演したりしてよく分からない人である。 この映画は万人受けするいいお話だ。なので大阪アジアン…

大阪アジアン映画祭で香港映画「非分熟女」を観る

「大藍湖(Big Blue Lake)」の女性監督ということで期待していたが、英皇と阿saのガードはあまりにも固かった。 監督がこだわったのは、「既婚の処女」が「外部の男」によって自分を解放するという物語だ。なので相手役は香港の俳優ではなく台湾の呉慷仁(ウ…

大阪アジアン映画祭でインドネシア映画「アルナとその好物」を観る

ポスター通りのインドネシア各地の美味しい料理と恋の行方を追う楽しい映画だ。 アルナはかつての同僚で片思いの相手と鳥インフルエンザの現地調査に行くことになるが、そこに奥手のシェフと、不倫ばかりしてしまう美食研究家が参加することに。4人で各地を…

日本映画「洗骨」を大阪で観る

ガレッジセールのゴリが脚本監督している映画。 予想以上に良かった。但しゴリが笑わそうとしているあざとい部分は笑えなかった。 キャストがうまい。奥田英二は白ブリーフ姿までさらけ出したダメ男っぷりも良かったし、その姉役の大島蓉子はしっかりこの映…

大阪アジアン映画祭で「誰先愛上他的(先に愛した人)」を観る

2度目の鑑賞。生の邱澤(ロイ・チウ)が目当て。 こちらは行けなかったオーサカ Asia スター★アワード授賞式の模様。長年王子役を演じただけあってタキシード姿が決まっている。 上映後の舞台挨拶では日本語でも語ってくれた。劇中劇のお芝居は実際にお客さ…

大阪アジアン映画祭でタイ映画「Homestay(ホームステイ ボクと僕の100日間)」を観る

1998年に出版された森絵都の小説「カラフル」が原作。甘酸っぱ憑依ミステリーというところか。 主演は「バッド・ジーニアス」で金持ちのボンボン役をしたティーラドン・スパパンピンヨー。 相手役はBNK48のチャープラン・アーリークン。かわいい。 主要キャ…

今、香港で観られる映画あれこれ

大阪アジアン映画祭のことばかり気にかけていたが、来週から香港に行くんだった。 一般上映でとりあえず観たいのはこのあたり。 中国映画「流浪地球(さまよえる地球/流転の地球)」 大陸の旧正月でメガヒットしたSF映画。呉京(ウー・ジン)が遂に地球まで…

大阪アジアン映画祭で短編3作品を観る

台湾「2923」37分 キャバクラで働く女の子が刑務所の面会に行く仕事を頼まれる。受刑者2923と会うたびに打ち解け合い、人生に迷っていた女の子は新しい人生を見つけ出す。 何もかも丁度いい。37分という長さとこの物語の内容が合っている。女の子たちの手配…

大阪アジアン映画祭開幕セレモニーに参加

開幕式には既に大阪入りしたゲストたちも登場した。 オープニングは日本映画「嵐電」。 先週京都に行った時に、私も嵐電に乗った。2両編成のかわいい電車だ。途中市内に入る時に路面電車に切り替わる。 鈴木卓爾監督は京都造形芸術大学映画学科の准教授で、…

大阪アジアン映画祭で香港映画「G殺」を観る

高層ビル群を背景に高校生がいるだけで絵になるのはさすが香港。 アパートの一室に女の首が投げ込まれることから物語は始まる。高校生の美少女、ガンを患う母親、チェロを弾くいじめられっ子、発達障害のPCオタク、悪徳刑事、娼婦、フェラ好きな教師が、その…