台北金馬影展のため2日間だけ台北に行った。台北に着いたのは朝の5時。早めに市内に移動してもすることがないので、それならと思ってネットで映画を見ることにした。
2年越しでやっと鑑賞出来た。予想以上に重い展開だった。
主演の呉慷仁(ウー・カンレン)は役作りのためギリギリまで減量。その甲斐あってかなりキモい仕上がりになっている。
主人公の白以徳は小学生の時に母親がセックスしているのを目撃してから性格がこじれてしまい、そこから女性用下着を着用するようになる。それだけならまだ問題はないが、実はその下着は盗んだものだった。その窃盗現場にたまたま湯君紅が遭遇してカメラで撮影してしまう。そして失恋の鬱憤から衝動的にDVDにコピーして郵便で盗んだ本人に送り付けてしまうのだ。
その後は意外な展開が起き、それぞれの人生に暗い影を落とす。自分がしたことを後悔したまま湯君紅は白以徳の母親と知り合う。しかし自分が以前息子を脅したことがバレてしまい、罪悪感を拭い去ることも出来ないまま映画は終わる。
物語のはじめに呉慷仁のマスターベーションシーンを持ってきて話題作りをしているが、完全にドン引きした。エグい映像でしか観客の興味を引っぱっていけないのは、完全に監督の才能不足だ。よくあるけど。
今はスマホで簡単に撮影した映像をネットで流せる時代なので、こういった話はよくありそうだ。ただあまりにも簡単すぎて、その後のことまで考えている人はほとんどいない。そういったネット内の不特定多数の欲望の毒気に当たりたくないので、私はなるべく素人の動画とか見ないようにしている。みんなどうして平気なんだろう?