香港国際電影節で「長いお別れ」を観る

今年のラスト1本。香港の春ももう終わりだなあ。

映画の前に監督のビデオレターが流れた。この映画も「家族の愛」がテーマだ。

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中野量太監督の前作「お湯を沸かすほどの熱い愛」が変でおもしろかった。なのでこの作品も期待大。

やっぱり山崎努はすごい。もう認知症のおじいちゃんにしか見えない。でもどことなくユーモラス。長女、次女の事情もそれぞれしっかり描かれていて重層的だった。

一番の救いはこの家族が両親が相思相愛で、そんな親を見て育った娘だからみんな仲がいいことだ。これがよくある映画なら、安易に姉妹間の嫉妬とか夫婦間の怨恨なんて入れて、でもこれまた安易に最後できれいさっぱり解決してしまうところだ。

多分原作自体がそうなのだろうが、なるべく人間の暖かい部分を描こうとしている。映画ではそれを嘘っぽくならないようにきちんと配慮していると思う。うまく機能している家族ってまさにこんな感じだし。

日本では5月31日から公開。