2018年東京フィルメックスでも上映。
チベット映画なのに、プロデューサー王家衛(ウォン・カーワイ)のテイストがあちこちに点在している。それとも監督の元からあるセンスなのか?
最初に現れるチベットの諺が肝。「もしあなたに私の夢を語ってもあなたは忘れるでしょう。もしあなたを私の夢の中に引き入れたならば、それはあなたの夢に変わりましょう」という意味。まさにそのままの映画だった。
夢心地のような感覚で現実と非現実が交じり合う。運転手のジンパはいつしか復讐者のジンパになる。それは轢いてしまった羊を成仏させようとお寺まで持っていくほど素直な男だからこそ諺の術に嵌まったのかもしれない。
現代の御伽噺。