日本では2018年東京フィルメックス、台湾では2018年金馬奨(ゴールデンホース・アワード)」で上映されている。
どちらでも前評判はかなり良く、私も期待を大きくして待っていた。大陸では12月31日から公開でタイトルと年越しをうまく引っかけて宣伝していた。
まず緑色のドレスを着た湯唯(タン・ウェイ)が美しい。全体の映像もきれい。
映画は前半は2D、後半は3Dの2部構成になっている。私はネットで見たので3D部分は普通の長回しと変わらない。そこでの印象の違いなのだろうか、140分がひたすら長かった。
監督はこの作品が2作品目の畢贛(ビー・ガン)監督。貴州出身の苗(ミャオ)族だ。なので映画の舞台も貴州で、みんな貴州なまりで話している。
ほぼ新人監督なので、新しい手法に意欲的なのは買う。しかし仕上がりは監督が思い描くレベルにまでは達することが出来なかったと思われる。特に3Dの長回しの部分は予行練習も綿密に行われながら、何度も撮り直しをしている。
特に2人が空を飛ぶシーンは、黄覚と湯唯の2人の演技でもキツかった。
中年男の夢と幻想が入り混じる物語は、ただ単にきれいに撮っただけでは観客はその世界に入りきれない。例えば私が中二病を抱えたまま中年になった男性なら、少しは理解出来たかもしれないが。