陳偉霆(ウィリアム・チャン)の良さが詰まっている香港映画「前度(ex)2010」

お金が集まらない、マーケットが小さいと映画が作られにくい環境が続く香港映画だが、それでも意欲的な佳作はたくさんある。特に才能のある若手監督を発掘して撮らせようとする気概が香港映画界全体に感じられる。

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香港で一番有名なエンターテイメントグループの英皇电影(エンペラー・モーション・ピクチャーズ)が製作した映画。主演も英皇所属の阿嬌(鍾欣潼/ジリアン・チョン)と陳偉霆(ウィリアム・チャン)だ。

監督は脚本家としても有名な麦曦茵(ヘイワード・マック)。なので内容がとてもスマート。単なる下世話な若い男女の恋愛のもつれ話になりがちなところを、もう一段高い場所に押し上げている。但し杜汶澤(チャップマン・トー)がプロデューサーなので、さわやかなままでは終わらない。

阿嬌が恋多き女を演じていて、出会う男から次々アプローチされてそのまま付き合っていく。それを嫌味に感じてしまうとこの映画は見続けられない。でも現実に阿嬌みたいな女の子がいたらそりゃモテるだろうさ。

そこにちょっとイケてない前カレ役として陳偉霆が登場する。この眼鏡を掛けただけで一気に平凡な男になれるところが彼の良いところだ。大陸ドラマでの常にドヤ顔の王子様役とは雲泥の差。大陸ドラマで変な演技癖がつく前に、まっとうな作品に戻って欲しいと願うばかりだ。

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このちょっと間の抜けた感じがいい。

騰訊視頻(テンセントビデオ)では広東語バージョンで視聴可能。