大阪アジアン映画祭で香港映画「中英街壹號」を観る

今回かなり期待した作品のひとつ。ワールドプレミアで香港での上映は未定。

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設定は1967年と2018年。1967年の反英暴動と2014年の雨傘運動をシンクロさせている。

1967年の暴動についてはあまり詳しくはない。推理小説「13.67」とか、香港映画「玻璃之城(ガラスの城)1998年」でちょこっと出ていたくらい。

監督の趙崇基(デレク・チウ)は以前こんな作品をつくっている。

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革命を起こそうと行動を起こす若者とそれに翻弄される普通の人々を描いている。1967年については、今の状況を知っている人間からすれば少し皮肉に感じる。しかしあの暴動のおかげで、イギリスは香港人に対する待遇を改めたり腐敗を一掃するよう心掛けた。つまり無意味な行動ではなかった。’なので「雨傘運動」も決して無意味では無かったと思いたい。

上映後には監督と出演者を交えてのQ&Aとなった。ここで監督が号泣。2006年からこの映画を製作して、やっと上映できたことに感無量だった。制作途中に当局からの横槍は無かったが、香港人映画関係者が皆及び腰だったため遅々として製作が進まなかったらしい。「香港はいつからこうなってしまったのか、長年映画の仕事をしてきた自分も分からない」と監督も話していた。

主演は不思議女優フィッシュ・リウ(廖子妤)がここでも好演。将来大化けするかも?男子2人もなかなか良かった。

中英街壹號は実際にある地名だが、香港人でも立入制限区域なので、簡単にロケ地巡礼とはいかなそうだ。

もちろん観終わった後で、また「13.67」の第6章を読み直したことは言わずもがなである。

 

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