大阪アジアン映画祭で台湾映画「川流之島」を観る

去年の台北電影節で見逃してくやしい思いをした映画。

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高速道路の料金所で働くシングルマザーのしょっぱい人生。ある日突然、主人公の息子に娘が強姦されたと訴えられ高額な慰謝料を請求されてしまう。それを工面しようといつも料金所でナンパしてくる男に売春の話を持ち掛ける。でもそのうち愛情が芽生えてというお話。

セックスって甘く見てはいけない。体から始まる恋もあるのだ。ナンパしてきた男は見るからにチャランポランで最初はイラつく。なんで本気で好きな女に対してこんなアホな態度をとるんだろうと思ったが、そうするしか出来ない男なんですな。それで真面目にお金を稼げばいいものを会社のお金に手を出してしまう。結構根はいい奴なのに、社会性は無い。何とも残念な人間である。

主人公のシングルマザーにしても、これまでのシオシオな人生が垣間見える。元夫の借金返済のために地下銀行からお金を借りた過去があったり。

シングルマザーの息子も高校1年生という若さでもう既にしょっぱい人生が始まっている。相思相愛だと思っていた彼女の親からレイプだと訴えられ、精神的に大人な彼女からもフラれてしまう。

そのうちに料金所がETCに取って代わられ無職の危機に面する。そんな八方塞がりな状況の中、最後はちょっと明るく終わる。

もともとはTVドラマとして製作されてその後映画になった。現実では料金所が閉鎖される時デモにまで発展したので、交通局から一旦撮影中止と言われてしまったが、そこを何とか粘って最後まで撮影したらしい。

なかなか歯ごたえのある映画だった。

映画祭ではバトミントンの羽を咥えた主人公のアップのポスターを使用していたが、「それはないよなあ」と思ってしまった。そこすんごく悲しい場面なんだけど。

男性監督の成せる業か。