日本では2018年2月24日から公開なので、ネタバレ無しで感想を少し。
私が見たのは普通の2D。未だに日本で陳凱歌監督を紹介する時、「あの「さらば、わが愛 覇王別姫」の監督」として紹介されることが多いが、一体何年前の話をしてるんだといつも思う。
中国映画と言えば、その土地の大きさを生かしたスケールの大きいセットをまず思い浮かべるが、今回何故かどのシーンも広がりを感じられない。この映画を製作するにあたり新しく大規模な映画村を作ったのだが、一個一個の部屋が大陸の他の撮影所に比べて狭いと思う。
中国人15人と一緒に映画を見に行ったのだが、染谷君の口の動きとセリフが合っていることにみんな感心していた。吹き替え前提をいいことにセリフをまったく覚えず撮影現場ではずっと「1234567」で通した大陸の若手女優の話は特に有名だ。
今年よく目にするようになった秦昊(チン・ハオ)がここでも登場でちょっとうれしい。この人の演技は見ているだけでおもしろい。何だかリアルでのぞき見している気分になる。今回も妙に生々しいベッドシーンを披露している。
絶世の美女楊貴妃役にはこれまた最近売れている張榕容(チャン・ロンロン)。映画の中でもめちゃくちゃキレイ。
そして内容。やっぱりとっちらかっているというか。陳凱歌の美意識にはついていけない。おいしいところは全部CGの猫に持っていいかれているし。髪の毛が猫に変わるのはウケ狙い?
そして肝心かなめの人物に中国若手俳優二人を配置しているが、どっちも個性が無さ過ぎて区別がつかない。最後の謎解きにこの2人が関わってくるというのに、何故こんな薄っぺらい演技しかできない彼らを選んだんだろう?それでも中国人女子の間では「ああ、あの人ね」ぐらいの知名度はあるらしい。それとは反対におっさん世代のベテラン俳優は実にいい。李白とか。
この大陸20代男性俳優の演技できない問題はかなり深刻。何故みんなして色白淡泊イケメン路線を目指すのかも謎。こんな時こそ演技が出来るブサイク個性派俳優の出番なのに!