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「月蚀(月食)(1999)」「图雅的婚事(トゥヤーの結婚)(2007)」を観る

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どちらも王全安監督の作品。「月蚀」がデビュー作で、この時はまだ見ている方が頬を赤らめるような青臭さがいっぱい(個人的にそういうのも嫌いじゃないけど)だが、「トゥヤーの結婚」ではそれが洗練されている。

主演の余男も「月蚀」がデビュー作。まだ北京電影学院の生徒だった時に監督にスカウトされた。デビュー作で1人二役を見事に演じ分けている。その存在感が圧倒的で、共演の男たちの影の薄いことといったらない。

その存在感が「トゥヤーの結婚」にも存分に発揮されている。トゥヤーモテモテ。遠方から次々と求婚する男がやってくる。

夫が事故で足を怪我してからトゥヤーが一家の大黒柱になって切り盛りしているが、無理がたたって自分の体にも支障が出てしまう。それで家族を守るために夫込みで再婚先を探す。もちろんそんな条件はなかなか受け入れてもらえない。

家族を守るために自分が犠牲になる話だが、石油王が無理矢理押し倒そうとした時きっぱりと拒否したように潔さが感じられて悲惨さはあまり感じられない。

それでもいざ結婚式を挙げる時に小屋に閉じこもって号泣してしまう。元夫と求婚してきた隣人は式で大酒くらって酔っぱらって暴れているし、新しい夫は親のいいなりでいかにも頼りない。まだ小さい息子は外で取っ組み合いのけんかをしている。

ダメ男のダメさ加減に容赦がないのは王全安監督の特色なのかもしれない。そんな監督も買春容疑で捕まって、刑期を終えたら張雨綺(キティ・チャン)と離婚してしまった。

中国では稀有な存在の余男。日本で例えていうなら樹木希林